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ひぐらしと動機

なんだかテキストを打つのが楽しくなってしまったのでもう一つ。

少し切り口を変えてみました。

※あくまでもネタです。

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さて、今日は動機についてお話してみたいと思います。
竜騎士07さんには、できれば少し耳を傾けていただけるとうれしいんですが…
ええ、お忙しいのは存じ上げてます
なに、大してお時間は取らせませんよ?せいぜい1500秒ほどです。んっふっふ…


…え?XXさんの動機?
いいえ。竜騎士07さん。あなたの動機ですよ。


恐るべき計画的犯行である"ひぐらしのなく頃に"の動機についてです。ええ。


竜騎士さん。あなたは
"ゲームという形態で販売されながら
その実ゲームとして遊ばれていないゲーム達"を、
救うための手段を考えたのではないですか?

え、何を言っているのかって?

んーーーそうですねぇ…
例えば、ここに一人のユーザーがいます。
彼は、あるサウンドのベル形式のゲームを購入します。

最初は、選択肢にわくわくしながら、
どんな物語が展開されるのか、楽しみにプレイしています。
おそらく、一周目は、自分の考えでゲームを楽しむことが出来るでしょう。
そして得られた答えは、BADENDならがっかり。
ハッピーエンドなら自分の賢明さに喜び、
TrueENDならばシナリオライターの力量によって感動することもあるでしょう。

ですが、2周目、3周目となると…

****ただ、繰り返すごとに、今度こそはと願い****

オープニングをスキップし…
既読の分をスキップし…
読んでいないフラグを探し…
いずれ、全てのシナリオを読み、キャラクターを征服するための
作業と化してしまうのではないでしょうか?

でも、一つめのゲームならばそれでも、自分で暴き、探求することも出来るでしょう。

****次に呆れ****

…ですが、2本目はどうでしょう…
3本目は?
4、5、6…
7本目。

****苦痛となり****

年々増え続けるボリューム。
増加し続ける選択肢。
積みゲーの堆積していく部屋…

****いずれ、喜劇となる****


我々の時間は、有限です…
仕事やめますか?ゲームやめますか?…なんてこと、
考えたこと、ありません?

ふと、立ち寄った攻略サイト。
全てのキャラシナリオを最短で読めるルート。


…"だって、時間が無かったんだ"
…"自分は、シナリオが見たいだけなんだ"


…かくして、
彼は選択肢を探るという一つの可能性を放棄し、
シナリオを眺める傍観者となります。


最短解を示されたゲームは、哀れです。
動く紙芝居でしかなくなったゲームは、
制作期間が何年かかっていようと、あっという間に"読み終わって"
しまうのです。

これでは、ゲームとして作成した意味がありません。
ただのムービーでも構わないでしょう。

もちろん、悪い意味で選択肢がただの時間稼ぎである場合もあります。
ただシナリオだけ読ませてくれればいいという場合もあります。

…だけど作成したからには、
作成するからには、出来る限り楽しんでもらいたい…。
シナリオもそうだけど、選択肢作るのだって、大変なんだ-----

あなたはまた、ユーザーの声を耳にする。

「今回のシナリオ面白かったです。次も頑張ってください。」
「いまいちです。次に期待。」
「XX萌え」
「立ち絵がXXXX」
「一枚絵がXXXXXXXX」


"くそっ、ただ読んだだけじゃないのか!?
本当に、アンタは、ゲームを「遊んだ」のかよッ!!??"


…そこで一考。
あなたは…商品の寿命を"次回作まで持たせる"方法を思いついた。



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…だったら、選択肢も、選択肢の先も、
作業で潰せる部分も全て、
ミエナイヨウニカクシテシマエ…!

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…恐ろしい発想です。
だって、本来
"ゲームのプログラムの中に含まれているべき部分を、
外に出してしまった"
のですから。


そうして、我々ひぐらしユーザーは、

どこにキャラのフラグがあるのか…
どこにキャラの選択肢があるのか…
どうすればクリアできるのか…

その、通常ならばゲーム中の選択肢を辿った先にある答え全てを。
制作者であるあなたに握られてしまったのです。

我々はまんまと、ひぐらしというゲームの世界中に取り込まれてしまいました。
掲示板での推理。議論。
各メディアで報じられる竜騎士07さんのコメントすらヒントに、
ゲームの正しい解き方を探る日々。
我々はその結果を書き連ねた。
あなたもヒントを所々与えてきた。


…私は最初、TRPGやネットゲームが、ひぐらしというゲーム中の世界のベースになったのかと思っていました。
でも、違いましたね。これはTRPGそのものです。
あなたは、ノベルゲームを装ったネットワークゲームを作り上げてしまった。


…そうして、あなたはゲームの寿命を救うことに成功した。
メディア展開。
アニメ展開。
そこまで広がって、なおもひぐらしはゲームとしての寿命を守り続けた。


実に見事です。
ストーリーのあるゲームにおいて、
いえ、ストーリー以外の要素が殆ど無いサウンドノベルにおいて、
これだけ長い間ユーザーを遊ばせるのは並のことではありません。


…でも、もうじき、ですか。
最後の一欠片は。

…もうすぐ終わる。
全て終わる。

…そう。ひぐらしのなく頃に。

そう。次の、夏ですね。
ようやく、エンディングです。

ですから、楽しみにお待ちしていますよ。
たとえ、そこに求めた物が無かったとしても。
我々は、ゲームをクリアしたいのですから。